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MountainSafety.infoの AvSARを学ぶ講習会

マニュエル・ゲンシュワイン氏(当時42歳、スイス)を北海道雪崩研究会の松浦孝之、榊原健一さんら有志が札幌に招聘し、初めてとなる雪崩サーチ&レスキューAvSAR講習会を北大手稲パラダイスヒュッテで開催したのは2015年12月。私はマニュエルさんをすぐさま“凄い人”だと思った。雪崩事故現場で多くの人を捜索し、遺体の始末をしたに違いないと感じたからだ。彼には「ニセコ雪崩情報」を発信し続ける新谷暁生さん(ニセコ雪崩調査所)と同じ雰囲気が漂っていた。新谷さんは「雪崩事故を防ぐ」、「命を救う」という強い意志、情熱を発散させているが、マニュエルさんも同じだった。電子工学者として科学的で合理的な思考に導かれた講義と講習から、熱い情熱がほとばしっていた。
 彼が創設したMountainSafety.info(山岳安全情報機構)には、国際山岳ガイド協会(IFMGA)、スイス国立雪・雪崩研究所(SLF/WSL)が参加し、国際山岳連合(UIAA)も協力関係にある。
 私が代表を務めていた(公社)日本雪氷学会雪氷災害調査チームのメンバーは、マニュエルさんからAvSARを学び、“講師”として育っていった。雪崩事故防止研究会ASSHのAvSAR講習会では、彼から学んだMs.iの「山岳安全活動における最良の実践方法に関する国際的な知識ベース」を教える。
 いまや日本の山で雪崩事故が起きればそこに日本人がいて、外国人がいることが当たり前になりつつある。国籍を問わず、ともに命を救うために協力する時代だ。世界共通の“標準”となる雪崩捜索救助法AvSARを身につけることが必要なのだ。

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